「相続税は、お金持ちだけの話」。 そう思っている方は、今でも多いように感じます。実際、相談でこの言葉を耳にするたびに、ああ、やっぱり多くの人がこう考えているんだな、と感じます。ところが近年は、そうとばかりも言い切れない事情があり、気づくと「えっ、うちも対象になるの?」と驚かれるケースが増えてきました。
今回は、堅苦しい計算式はほんの少しだけにして、読んでみるとちょっと面白くて、少しだけ「へぇ」と思える“読み物”として相続税の世界を覗いてみたいと思います。
1. 昔は遠い存在だった相続税が、なぜ近づいてきているのか
相続税というと、昔は本当に一部の富裕層の税金でした。ところが時代が進み、土地の評価方法や都市部の地価の高騰など、いくつかの要因が重なり、「普通の家庭」の境界線がじわじわと変化してきています。 親が若い頃に買った土地が、今は思っているよりずっと高く評価されていたり、昔は大した価値がないと言われていた農地が、いつの間にか相続税の計算では高く換算されていたりするのです。 「うちは普通だから」という言葉は、相続税の世界に入ると、あまり当てにならなくなることがあります。
2. 相続税がかかるかどうかを決める“ライン”とは
相続税には「基礎控除」と呼ばれる枠があり、これを超えると申告が必要になります。金額は、三千万円に相続人の人数を掛け合わせて六百万円ずつ足した金額です。たとえば相続人が三人なら、四千八百万円が目安になります。 ところが、この四千八百万円という数字は、預金だけで到達することは珍しくても、土地がある家庭では一気に現実味を帯びてきます。普通の広さの実家であっても、その場所が都市に近かったり、路線価の高いエリアだったりすると、一気に数字が跳ね上がります。 「そんなに価値ないですよ」と皆さん言われるのですが、税の世界では“生活感”で決まるものではないんですね。
3. 土地の評価額は、生活感とはまったく別もの
ご相談でよく耳にするのが、「うちは土地と家しかないから税金なんて関係ないと思っていた」という言葉です。しかし、土地ほど“生活の実感”と“評価額”がずれる資産はありません。 築年数の古い家が建っていても、使い勝手が悪くても、相続税の計算では関係ありません。昔、親が安く買った土地でも、今の評価では数倍になっていることもあります。 とくに、都市近郊で育った方の実家は、広さや場所によって「え、これ全部合わせるとそんな金額になるの?」と驚かれることが本当に多いです。
4. 気づけば相続税が視界に入ってくる理由
相続税が近づいてきているのは、単に地価や評価額の問題だけではありません。私たちが暮らしている世界そのものが、昔より資産を持つ構造になっているという背景もあります。 親の代はコツコツ貯金をしていたり、会社の退職金制度がしっかりしていたり、生命保険を長年続けていたりと、自然と財産が積み重なっていく仕組みが今より多くありました。 家族が気づかないうちに、預貯金、土地、生命保険、家財、車などが少しずつ積み重なり、「普通だと思っていたら意外と総額が大きい」というご家庭が増えているのです。
5. 相続税は“数字の話”でありながら、じつは“家族の物語”でもある
相続税という言葉を聞くと、多くの方は数字の世界を想像されます。しかし、いつも感じるのは、相続税は数字よりもむしろ“家族の歩んできた時間”が表れるということです。 親がどんな家に住み、どんな価値観で生きてきたのか。家族がどんな思い出を重ね、どんな場面で支え合ってきたのか。相続の場面では、財産の金額の背後に、必ずその家族ならではの物語が存在します。 その物語を、どう次の世代につなげていくか。数字の計算の奥には、そんな温度を感じる瞬間があります。
6. 「うちはどうなんだろう」と思ったら、それだけで一歩前進
相続税の話をすると、最後に皆さんの表情が少し穏やかになる瞬間があります。それは、税金がかかるかどうかという結論ではなく、「自分の家はどの位置にあるのか」が見えてくるからです。 どこに立っているのかがわかれば、必要以上に不安がることもなくなりますし、何を準備すればいいのかもわかってきます。 曖昧なままなんとなく不安を抱えている状態がいちばんしんどいものです。「調べてみようかな」と思えた時点で、すでに半分は前に進んでいるようなものです。
7. 最後に相続税は“怖がるもの”ではなく、“軽く知っておく程度”で十分
相続税は、たしかに複雑な計算が並ぶと頭が痛くなります。しかし、多くのご家庭では、「深く理解しよう」と構える必要はありません。 ざっくりとした基準を知っておくこと。そして、気になったら少しだけ立ち止まってみること。この二つができていれば、十分に対応できます。 相続税は、怖がる対象ではなく、「へぇ、そういう仕組みなんだ」と軽く知っておけば良い知識のひとつです。 ただ、もし自分の家がどうなのか気になったら、そのときは専門家に相談すればいいだけ。ほんの少しの知識が、家族の安心につながります。
※この記事は読み物として作成しています。実際の相続税の可否は財産内容によって大きく異なりますので、判断に迷う場合は専門家へご相談ください。
💰 相続税の「意外な現実」クイズ 💰
問1. 相続税がかかるかどうかを決める「基礎控除額」の計算式として正しいものはどれですか?
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