任意後見契約と何が違う?“今の生活”を守る生前事務委任契約

「任意後見契約なら聞いたことがあるけれど、生前事務委任契約はよくわからない」。
そう感じている方は多いかもしれません。

実はこの二つの契約は役割がまったく違い、カバーできる時期も異なるのです。とくに40代・50代を過ぎると、親のこと、自分の老後のこと…さまざまな不安が増えてきます。
そんな「不安と元気の間」をサポートしてくれるのが、生前事務委任契約。今の生活の困りごとを軽くし、将来の備えとしても力を発揮します。
本記事では、任意後見との違いを軸に、生前事務委任契約の本質と魅力をわかりやすく解説します。

1. 任意後見契約と生前事務委任契約。違いは「使うタイミング」

まずは多くの方が知りたい「違い」から見ていきましょう。
結論からいうと、二つの契約の決定的な違いは発動するタイミングです。

◆ 任意後見契約:判断能力が低下した“後”に使える
認知症などで判断能力が不十分になった段階で、家庭裁判所が後見監督人を選び、そこから契約が有効になります。

◆ 生前事務委任契約:判断能力が“あるうち”から使える
今日からでも発動できます。病院の付き添い、銀行手続き、役所の書類取得など「日常の事務作業」を支援するものです。

つまり、生前事務委任契約は任意後見が始まる前の“生活の空白期間”を補う契約。任意後見でカバーしきれない領域を支えるために生まれた制度といっても過言ではありません。

2. 生前事務委任契約は“今困っていること”を助けてくれる

任意後見契約が備えるのは「将来」。
一方、生前事務委任契約が支えるのはまさに“今”の生活です。

たとえばこんな場面で力を発揮します。

・窓口での説明が難しく、役所の手続きに何度も行く必要がある
・銀行の待ち時間がつらく、一人で行くのが不安
・病院の予約方法が複雑で頼れる人がいない
・書類や郵便物が多く、整理が追いつかない
・介護サービスの手続きや連絡が面倒で放置してしまう

高齢のご本人はもちろん、家族にとっても負担の大きい作業です。
生前事務委任契約を結ぶと、これらの事務を代理人が担い、生活のストレスを大幅に減らしてくれます。

「まだ元気だけれど、一人だと不安がある」
「家族はいるが、迷惑をかけたくない」
そんな思いに寄り添う契約なのです。

3. なぜ二つをセットで使うのか? 判断能力低下までの流れを一体化

現場の専門家がよくおすすめするのが、
「生前事務委任契約+任意後見契約」のセットです。

その理由はとてもシンプル。「生活の支援」と「判断能力が失われた後の支援」は、時間の流れの中で連続しているからです。

生前事務委任契約は今から、任意後見契約は将来から、この二つがつながることで、 本人の生活を最初から最後まで切れ目なく支える体制 が整います。

特に、高齢期は短期間で状況が大きく変わることがあります。
入院をきっかけに判断能力が急に低下するケースも少なくありません。
「もっと早く準備しておけばよかった」という声は現場でも多く聞かれます。

だからこそ、元気なうちに、そして不安が生まれ始めた頃にこそ、生前事務委任契約は大きな役割を果たします。

4. 家族がいても必要? “近居・遠居・多忙”が当たり前の時代

「うちは子どもがいるから大丈夫」という声もよく聞きます。
しかし実際には、家族がいても生前事務委任契約を利用するケースは増えています。

なぜかというと、現代の家族の形が昔とは大きく変わってきているからです。

・子どもが遠方に住んでいる
・仕事が忙しく、役所に行く時間がない
・親が「子どもには迷惑をかけたくない」と考えている
・家族に頼みづらいデリケートなことがある
・相続や介護を巡る家族間トラブルを避けたい

“家族がいれば安心”と単純に言い切れない時代。
むしろ、第三者の専門家に任せることで、家族関係が良いまま維持できる場面も多いのです。

生前事務委任契約は、本人だけでなく家族の負担を軽くする仕組みとしても重要な役割を果たします。

5. 実際に契約して良かったケース “安心して暮らせる”という効果

実際の事例をひとつご紹介します。
70代の女性の方は、足腰は元気でしたが銀行や役所の専門用語が難しく、手続きのたびに混乱していました。

生前事務委任契約を結んでからは、 銀行の記帳や支払い管理、役所の書類取得などを代理人が行うようになり、 「精神的な負担が軽くなった」と笑顔が増えました。

遠方に住む息子さんも「帰省のたびに手続きをする必要がなくなった」と安心された様子。
このように、生前事務委任契約は日常生活の“つまずき”を取り除く力があります。

6. どんな人に向いている? “年齢ではなく状況”を軸に考える

生前事務委任契約を検討すべきかどうかは、年齢よりも状況で判断するのがポイントです。

特に次のような方には強くおすすめできます。

・一人暮らし、または子どもがいない
・配偶者はいるが、先に亡くなるリスクを考えている
・家族に迷惑をかけたくない気持ちが強い
・親の介護を経験し、早めの備えを考えている
・認知症になる前からサポート体制を作っておきたい
・任意後見契約と併せて準備しておきたい

特に近年は「おひとりさま」の増加、老々介護、遠距離介護など、生活の形が多様化しています。
生前事務委任契約はその多様性に応える柔軟性を持った制度なのです。

7. 行政書士に依頼するメリット 契約後の“長い付き合い”が前提

生前事務委任契約は、契約書を作れば終わりではありません。
むしろ契約したその日から、本人の生活を支える関係が始まるのです。

行政書士に依頼することで次のようなメリットがあります。

・本人と家族の希望を整理し、最適な契約内容を設計できる
・任意後見契約、財産管理契約、遺言などと組み合わせて一体的に準備できる
・契約締結後の事務支援やアフターフォローにも対応できる
・家族間の調整役として“中立の専門家”の立場で寄り添える
・将来のトラブル防止につながる記録や手続きを整えられる

高齢期のサポートは長期戦です。だからこそ、信頼できる専門家と
「長く続く安心を設計する」という視点が大切になります。

8. 生前事務委任契約は“未来を軽くするための、今の選択”

生前事務委任契約はまだ広く知られていませんが、実際には高齢期の生活を支える基盤となる重要な制度です。
「まだ大丈夫」「そのうち考える」という声はよくありますが、実際に困り始めてからでは準備に時間がかかります。

生前事務委任契約は、将来の不安ではなく、“今日の生活”に寄り添う契約です。
そして、任意後見契約と合わせて準備することで、人生の後半を切れ目なく支えてくれる強固な体制が整います。

「自分の場合はどうすれば安心なのか?」
「家族に不安や負担をかけない方法はあるか?」
そんな思いを抱えている方こそ、ぜひ一度専門家に相談してみてください。

生前事務委任契約は、これからの人生を明るく軽やかに過ごすための大切な選択肢のひとつです。

📝 生前事務委任契約の理解度チェック 📝

【第1問】生前事務委任契約と任意後見契約の「最も大きな違い」は、契約が発動するどのタイミングにありますか?

【第2問】生前事務委任契約がサポートしてくれる、ブログ記事で言及されている「今の生活の困りごと」に該当するものはどれですか?

【第3問】専門家が「生前事務委任契約と任意後見契約」のセット利用を勧める理由として、最も適切に説明されているのはどれですか?

✅ クイズクリア!お疲れ様でした!

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