【行政書士が解説】任意後見契約は途中で解除できる?契約前・契約後の違いをわかりやすく解説

1. はじめに

任意後見契約は、将来、認知症などで判断能力が低下した場合に備え、自分で信頼できる人を選んで支援を依頼する制度です。

ご相談の中でも、

  • 「契約した後でもやめられますか?」
  • 「相手との関係が変わった場合はどうなりますか?」
  • 「一度契約すると変更できないのでしょうか?」

というご質問をいただくことがあります。

結論からいえば、任意後見契約は一定の場合には解除することができます。ただし、契約の段階によって手続きが異なりますので、その違いを理解しておくことが大切です。

2. 任意後見契約は「いつでも解除できる」とは限らない

任意後見契約は、公正証書で作成する契約です。

解除できるかどうかは、任意後見契約が実際に開始しているかどうかによって大きく異なります。

具体的には、

  • 任意後見監督人が選任される前
  • 任意後見監督人が選任された後

で取り扱いが変わります。

この違いを知っておくことが、契約後の不安を減らすことにつながります。

3. 任意後見監督人が選任される前であれば解除は可能

本人の判断能力が十分にあり、まだ家庭裁判所で任意後見監督人が選任されていない段階であれば、契約を解除することができます。

ただし、解除は口約束では足りません。

公正証書による解除が必要であり、本人だけで解除できるものではありません。契約の相手方である任意後見受任者と合意したうえで、公証役場で解除の手続きを行います。

このように、公正証書で締結した契約は、公正証書によって解除することが原則となっています。

4. 任意後見監督人が選任された後は自由に解除できない

本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、任意後見契約は効力を生じます。

この段階になると、契約を自由に解除することはできません。

本人または任意後見人が「正当な理由」がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て解除することができます。

これは、判断能力が低下した本人の利益を守るためです。

そのため、「気が変わった」「何となくやめたい」といった理由だけでは解除は認められません。

5. 解除を考える前に確認したいこと

任意後見契約を解除したいと考える背景には、さまざまな事情があります。

例えば、

  • 受任者が高齢になった
  • 遠方へ転居した
  • 信頼関係が変化した
  • より適任と思われる人が見つかった

といった事情が生じることもあります。

任意後見契約は将来の生活を支える重要な契約です。

解除だけを考えるのではなく、「契約内容の見直しが必要なのか」「新たな契約を結ぶ方がよいのか」なども含めて検討することが望ましいでしょう。

6. 契約前に十分な検討をすることが大切

任意後見契約は、一度効力が生じると簡単には解除できません。

そのため、契約を結ぶ前に、

  • 誰に依頼するか
  • どこまで代理権を与えるか
  • 将来どのような支援を望むか

を十分に話し合っておくことが重要です。

また、契約内容について疑問がある場合には、契約締結前に専門家へ相談することで、不安や誤解を減らすことができます。

7. まとめ

任意後見契約は、将来に備えるための大切な制度ですが、途中で解除できるかどうかは契約の状況によって異なります。

ポイントを整理すると、

  • 任意後見監督人が選任される前は、公正証書による合意解除が可能
  • 任意後見監督人が選任された後は、正当な理由があり、家庭裁判所の許可を受けた場合に解除できる
  • 契約前に受任者や契約内容を十分検討することが重要

任意後見契約は、ご本人の将来の生活や財産管理に関わる重要な契約です。

当事務所では、制度の概要だけでなく、ご本人やご家族の状況を踏まえた任意後見契約のご相談も承っております。契約をご検討中の方や、契約内容についてご不安のある方は、お気軽にご相談ください。

※本記事の内容は、執筆時点の法令・情報に基づき一般的な解説を提供するものであり、特定の事案についての助言・判断を目的としたものではありません。実際の手続きや対応方法は、状況・地域・関係機関・契約内容等によって大きく異なります。そのため、本記事のみを根拠として判断・行動されることはお控えいただき、個別の事情に応じた専門家への相談をおすすめいたします。本記事の内容に基づき生じたトラブル・損害等について、当事務所は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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任意後見監督人が選任される前(まだ判断能力が十分ある段階)の契約解除について、正しいものはどれでしょうか?

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