「自分が亡くなった後、誰が葬儀をしてくれるんだろう」 「身寄りがいないけれど、役所の手続きや片づけはどうなるの?」 そんな不安を抱える“おひとりさま”の方が、近年とても増えています。 実際に、行政書士として終活の相談を受けていると、「死後のことを頼める人がいない」という声が最も多いのです。 そんな時に知っておきたいのが、「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」という制度です。 今回は、家族がいない方でも“最期まで安心して任せられる”この契約の仕組みを、わかりやすくお伝えします。
更新日:2025年11月6日
1. 「おひとりさまの終活」で増える“死後の不安”
終活という言葉が定着して久しい昨今、40代・50代から準備を始める人も珍しくありません。 しかし、子どもがいない、または家族が遠方に住んでいる方にとって、 一番の悩みは「亡くなった後のことを誰に頼むか」です。
例えば、亡くなった直後には役所への死亡届、葬儀の手配、病院・施設の清算、 家や荷物の片付け、公共料金の停止、年金や保険の手続きなど、 本当に多くの“死後の事務”が発生します。 これらを家族が担うのが一般的ですが、家族がいなければ誰も代わりにできません。 実際に、葬儀社や役所が困ってしまうケースも増えています。
そんな中、生前に「死後の手続きを任せる契約」として注目されているのが、死後事務委任契約です。
2. 死後事務委任契約とは?
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後に必要な事務手続きを、信頼できる人に代わって行ってもらう契約のことです。 契約の相手(受任者)は、生前に取り決めた内容に基づき、葬儀・納骨・役所届出・費用精算などを行います。
遺言書は「財産の分け方」を決めるもので、効力があるのは“相続”に関することだけ。 一方で、死後事務委任契約は“生活の後始末”を行う権限を与える仕組みです。 遺言書と死後事務委任契約はセットで考えるのが、今の終活のス標準になりつつあります。
3. どんなことを頼めるの?
死後事務委任契約で依頼できる内容は、とても幅広いです。 代表的なものを、生活の流れに沿って紹介します。
まず亡くなった直後に必要なのが、死亡届の提出や葬儀の手配です。 これを依頼者(受任者)が代わりに行うことで、スムーズに火葬・納骨まで進められます。 さらに、病院や介護施設の費用清算、公共料金の停止、賃貸住宅の退去手続き、 家財道具や遺品の整理なども任せることができます。
最近では、スマートフォンやパソコンに残るデジタル遺品の整理、 SNSのアカウント削除なども依頼内容に含まれることがあります。 つまり、死後事務委任契約は単なる手続きの代行ではなく、 亡くなった後の“暮らしの後片づけ”をまるごと託せる契約なのです。
4. どんな人が契約しているの?
この契約を利用する方の多くは、いわゆる「おひとりさま」です。 結婚していない方、子どもがいない夫婦、親族が遠方に住んでいる方など、 “自分の死後を任せる人がいない”という理由で契約を検討されます。
たとえば、60代の女性で長年一人暮らしをしている方。 「亡くなった後、近所の人に迷惑をかけたくない」との思いから、 行政書士を受任者にして死後事務契約を結びました。 契約書には「葬儀は小さな家族葬」「遺骨は散骨」「家財は専門業者に処分」など、 自分の希望をしっかりと書き残したのです。 これにより、「最期まで自分らしく終える」安心を得られたと話されました。
5. 契約の流れと費用の目安
死後事務委任契約は、生前に行政書士などの専門家を通して結びます。 内容を明確にしておくため、公正証書で作成するのが一般的です。 契約書には、どんな事務をどの範囲まで依頼するか、報酬や費用の支払い方法などを詳しく記載します。
契約書作成にかかる費用は、おおむね5〜10万円前後。 実際の死後事務の実行報酬として、20〜30万円ほどを預けておくケースが多いです。 内容や地域によって異なりますが、家族への負担を軽減できる安心料と考えると、決して高くはありません。
6. 行政書士に依頼するメリット
死後事務委任契約は、単なる「約束」ではなく、法的に有効な契約書にしておく必要があります。 書き方を間違えると、受任者が実際に行動できなくなる恐れもあります。 行政書士に依頼すれば、法的に有効な書面として整備できるだけでなく、 遺言書・任意後見契約との組み合わせも一括で相談できます。
特に「死後事務+遺言+後見」をセットで設計すれば、 自分が元気なうちから亡くなった後まで、切れ目のない安心が得られます。 「最後まで自分の意思で生きる」ために、行政書士は伴走者として支えることができます。
7. まとめ:“最期まで自分らしく”を叶えるために
死後事務委任契約は、決して特別な人のための契約ではありません。 誰にでも訪れる“その時”に備えて、安心を形にする仕組みです。 おひとりさまでも、自分の希望を明確にしておけば、葬儀・納骨・片づけまできちんと進めてもらえます。
行政書士として感じるのは、 死後事務契約を結んだ方ほど、むしろ「今を安心して生きられる」ようになるということ。 不安を整理しておくことで、“生き方そのものが軽くなる”のです。 「まだ早い」と思った方こそ、今がその第一歩かもしれません。
※本記事は一般的な内容を紹介しています。実際の契約内容・費用は個別に異なります。詳しくは専門家へご相談ください。
📝 死後事務委任契約の法律クイズ 📝
【第1問】ブログ記事によると、死後事務委任契約が効力を持つ「死後の事務」とは、一般的にどんなことですか?
【事務所概要】
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