「子どもに迷惑をかけたくない」気持ちが、実は相続を複雑にすることもある

「子どもに迷惑をかけたくない」── それは多くの親世代が抱く自然な思いです。 けれども、その“優しさ”がきっかけで、かえって子ども同士の関係がこじれたり、 手続きが複雑になってしまうケースがあるのをご存じでしょうか。 行政書士として相続の現場を見てきた立場から、 「思いやりが裏目に出る相続」の実例と、 トラブルを防ぐための考え方をわかりやすくお話しします。

更新日:2025年11月12日

1.「子どもに迷惑をかけたくない」という思いの裏側

相続や終活の相談を受けていると、ほとんどの方が最初にこうおっしゃいます。 「子どもに迷惑をかけたくないから、全部自分で整理しておきたい」と。 これはとても前向きで、素晴らしい考えです。 しかし、その「迷惑をかけたくない」が、実は“誰にも相談しない”方向に向かってしまうことが少なくありません。

「自分の財産は多くない」「子どもたちは仲がいい」「話すほどのことでもない」── そう思っているうちに、いざ亡くなったあと、 相続人が書類を集めるのに苦労したり、 不動産の名義変更ができず放置されるケースが後を絶ちません。

つまり、“迷惑をかけない”ためには、実は“準備しておくこと”が必要なのです。

2.ありがちな「優しさの裏目」パターン

相続の現場でよくあるトラブルの一つが、「親の意図が伝わらない」こと。 たとえば、母親が「子どもたちに平等に分けてほしい」と思っていたとしても、 何も書面に残していなければ、それは誰にも伝わりません。

また、「家を長男に残したい」「預金は次男に渡したい」など、 きちんと整理されていないまま亡くなってしまうと、 兄弟姉妹の間で“親の本当の気持ち”をめぐって争いが起きることもあります。

特に多いのが次の3パターンです。

  • 遺言書がないまま相続人同士で意見が割れる
  • 親が生前贈与をしていたが、他の子どもに伝えていなかった
  • 不動産の名義変更を放置し、登記簿が“故人名義”のまま数十年経過

いずれも、「子どもに手間をかけたくない」という思いが根底にあります。 けれども、「準備をしない優しさ」は、時に子どもたちを困らせてしまうのです。

3.“子ども任せ”が招く負担の現実

親が亡くなったあと、子どもたちは膨大な手続きに直面します。 銀行口座の凍結解除、年金・保険・公共料金の名義変更、 さらに不動産の登記、税金の支払いなど、 一つ一つに書類・印鑑・証明書が必要です。

もし生前に情報が整理されていなければ、 「どこに何があるのか」「誰の名義なのか」を探すだけで数か月かかることも。 これが、子どもにとって最大の“迷惑”になりかねません。

実際に、「親が心配してエンディングノートを途中まで書いていたが、 どこに保管しているかわからなかった」というケースもあります。 大切なのは、情報を整理し、伝える仕組みをつくることです。

4.「迷惑をかけない」ために今できる3つの準備

子どもに負担をかけず、スムーズな相続を実現するために、 次の3つの準備をおすすめします。

① 遺言書を作成する
「誰に何をどのように残すか」を明確にすることが第一歩。 公正証書遺言なら、法的にも確実です。

② 財産リスト・手続きリストを作る
銀行・保険・不動産・年金などを一覧化しておきましょう。 子どもが探し回る時間と負担を大幅に減らせます。

③ 専門家に相談して整理を“見える化”する
行政書士が関わることで、漏れや曖昧さを防ぎ、 家族にとって理解しやすい形にまとめることができます。

5.「迷惑をかけたくない」思いを“安心に変える”ために

行政書士として多くのケースに立ち会って感じるのは、 本当に家族思いの方ほど、後で苦労を残してしまう傾向があるということです。 なぜなら、「まだ元気だから」「うちにはそんな財産ないから」と考えて、 具体的な行動に移さないまま時間が過ぎてしまうからです。

しかし、準備を始めるのに“早すぎる”ということはありません。 遺言書や財産リストは、人生の節目ごとに見直せばいいのです。 そしてその準備こそが、子どもへの最大の思いやりになります。

6.まとめ:「迷惑をかけたくない」は、準備のサイン

“迷惑をかけたくない”という気持ちは、誰もが抱く自然な願いです。 けれども、その思いを行動に変えなければ、 結果的に子どもに重い負担を残すことになりかねません。 ほんの少し勇気を出して、今からできる準備を始めてみませんか?

専門家に相談することで、手続きの流れが整理され、 あなたの「思いやり」が確実に伝わる形に残せます。 家族の笑顔を守るために、まずは一歩を踏み出しましょう。

※本記事は一般的な内容を説明しています。実際の相続手続きは個別の事情により異なります。詳しくは専門家へご相談ください。

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【第1問】「子どもに迷惑をかけたくない」という思いが、かえってトラブルを招いてしまう「ありがちな行動」として、記事で最も多く言及されているのはどれですか?

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あなたの「思いやり」を確実に「安心」に変えるために、専門家による整理をおすすめします。

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