越境してきた隣家の木の枝と根を切ることができるのか?

隣の家の木の枝が自宅の敷地に伸びてきて、落ち葉の掃除が大変になったり、庭の日当たりが悪くなったり。
我慢を続けている方は多いですが、実は木の枝と根の越境トラブルには法律上のルールが存在します。
今回は「勝手に切ってもいいのか?」「トラブルにならずに解決する方法は?」を分かりやすく解説します。

1. 毎年の落ち葉、庭の暗さ…それでも何も言えないと悩む人は多い

「隣家の木の枝がうちの敷地に入ってきて、葉が散って掃除が大変」「庭が暗くなって洗濯物が乾きづらい」「果実が落ちて子どもが滑りそう」こうした相談はよくあります。
とくに長年住んできた地域ではご近所付き合いがあり、強く言って関係が悪くなるのは避けたいという思いから我慢してしまう方が多いのが現状です。
しかし、木の越境問題にはしっかりと法律上の決まりがあるため、「うちが悪いのかも…」「仕方ないのか…」と諦める必要はありません。

2. 木の枝と根は扱いが違う。勝手に切れる?切れない?

越境トラブルで最も誤解されやすいのが、枝と根では法律上の扱いが異なるという点です。

越境しているもの自分で切れる?法律上の扱い
原則切れない所有者(木の持ち主)が切る義務
切れる越境部分を切って問題ない

「全部自分で切っていい」というイメージがあるかもしれませんが、枝は勝手に切ってはいけないのが原則です。
無断で切ってしまうと、「器物損壊」「損害賠償」などに発展する恐れもあり、慎重な対応が必要です。

3. では、枝は頼めば必ず切ってもらえるのか?

法的には木の所有者が枝を切る義務を負っていますが、実際には以下のようなケースが起こりがちです。

  • そもそも越境に気づいていない
  • 忙しくて対応してもらえない
  • 「そこまで困っているの?」と軽く受け取られる
  • 関係が悪く依頼しにくい

法律に従うだけでは解決に至らない場合も多く、感情的な対立にならないよう進めることが最重要です。

4. 2023年法改正:条件を満たすと「自分で枝を切れる」ようになった

2023年4月の法改正により、条件を満たした場合に限り、枝も所有者の同意なく切ることが可能になりました。

以下の3つの条件をすべて満たした場合のみ、切る権利が認められます。

  1. 相手に枝を切るよう催告した
  2. 相手が相当期間対応しなかった
  3. 放置することで生活への支障がある

とくに重要なのは「催告の証拠」です。
口頭のみでは「聞いていない」と言われトラブルの原因となるため、書面・LINE・メールなど証拠が残る形で伝えることが推奨されます。

5. ご近所トラブルを避けながら解決する“現実的なステップ”

《第1段階|柔らかい表現で声をかける》

多くの場合、相手に悪意はありません。
「最近、枝がこちらに伸びてきて掃除が大変でして、申し訳ないのですが剪定お願いできませんでしょうか」と、柔らかい表現で依頼すると受け入れられやすくなります。

《第2段階|期限を明示した書面やLINEでの依頼》

穏やかな表現を保ちつつ、「◯月◯日までに対応いただけると助かります」と期限を示すと前に進みやすくなります。

《第3段階|行政書士など専門家のサポート》

催告書の作成・内容証明郵便など第三者が間に入ることで双方が冷静になれるメリットがあります。
直接伝えるのが難しい、感情的になりそうという場合に有効です。

6. それでも対応してもらえないときの“最終手段”

条件を満たしたうえで、枝をこちら側で剪定できます。ただし注意が必要です。

  • 相手の敷地に無断で入って作業するのはNG(不法侵入)
  • 木を枯らすほどの切り方は損害賠償の可能性
  • 越境している部分のみを剪定すること

法律上可能であっても、感情面・危険性の面から、慎重な判断が求められます。

7. まとめ|困っている自分を責める必要はありません

木の越境トラブルは「悪気はなくても生活に支障が出る」典型的な問題です。
我慢するか、勝手に切るか、その二択ではありません。

大切な3つのポイント

  • 枝と根では法律の扱いが違う
  • 枝は原則勝手に切れない(ただし条件次第で切れる)
  • 手順と証拠が解決のカギ

ご近所関係を壊さずに解決する道は必ずあります。
悩みが大きくなる前に、早めの相談が安心につながります。

8. 行政書士としてお手伝いできること

  • 催告書・内容証明郵便の作成
  • 法改正を踏まえた手続きのアドバイス
  • 相手方との直接交渉を避けたい場合のサポート
  • トラブルを避けるための書面化支援

「相手にどう伝えるべきか悩んでいる」段階でも大丈夫です。
小さな相談でもお気軽にお問い合わせください。

🌳 ご近所トラブル防止!法律クイズ 🌳

【第1問】隣の家から、木の「枝」と「根」が自分の敷地に伸びてきました。民法の原則として、勝手に切って良いのはどちらでしょうか?

✅ クイズクリア!お疲れ様でした!

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