メルカリやヤフオクの副業に「古物商許可」は必要?不用品処分とビジネスの境界線

スマートフォン一つで誰でも簡単にモノを売買できる時代になりました。
通勤電車の中でメルカリをチェックしたり、週末にヤフオクでレアものを探したり。そんな生活が当たり前になっていますね。

最近特に増えているのが「副業としてネット販売を始めたいけれど、許可が必要ですか?」というご相談です。

「家の不用品を売っているだけなら大丈夫」
「安く仕入れて高く売るなら許可がいる」

ネット上には様々な情報が溢れていますが、その境界線は実はとても曖昧で、かつ繊細です。
今回は、行政書士の視点から、どこまでが「不用品処分」で、どこからが「古物商許可が必要なビジネス」なのか、その境界線を分かりやすく紐解いていきたいと思います。

1. そもそも「古物商許可」とは何のためのもの?

まず、大前提となるお話から始めましょう。
なぜ、中古品を売買するだけで、警察署の許可が必要なのでしょうか?

「税金を取るため?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は違います。
古物営業法という法律の最大の目的は、「盗品の流通防止」と「被害の早期回復」です。

もし、泥棒が盗んだブランドバッグをリサイクルショップやネットオークションで自由に売れるとしたらどうでしょう?
犯人は簡単にお金を手に入れられ、盗まれた物は誰かの手に渡り、行方がわからなくなってしまいます。

そうならないために、「商売として中古品を扱う人(古物商)」には、警察の許可を取らせ、取引の記録を残させる義務を課しているのです。
これにより、もし盗難事件が起きたときに「あのバッグは誰が持ち込み、誰が買ったか」というルートを警察が追跡できるようになります。

つまり、古物商許可とは「私は怪しい品物を流通させたりしませんよ」という、社会的な信頼の証でもあるのです。

2. 「不用品処分」と「ビジネス(業)」の決定的な違い

では、本題に入りましょう。
皆さんが一番気になっているのは、「自分のやっていることが法律違反になるのかどうか」ですよね。

結論から言うと、「自分の不用品を売るだけ」であれば、古物商許可は不要です。
たとえそれが高額なブランド品であっても、家にある古いピアノであっても、自分が使っていたものを処分するために売る行為には、許可はいりません。

しかし、ここに「ビジネスの落とし穴」があります。
法律では、許可が必要な行為を「業(ぎょう)として行う場合」としています。

この「業として」というのが少し厄介な言葉なのですが、簡単に言えば以下の2点が基準になります。

  • 利益を出す意思があるか(営利性)
  • 継続して行っているか(反復継続性)

「利益を出そうとして」「繰り返し売買を行っている」ならば、それはもう不用品処分ではなく、立派なビジネス(古物営業)とみなされる可能性が高くなります。

3. ケーススタディ:この場合は「セーフ」?「アウト」?

概念だけでは分かりにくいので、具体的なケースを見てみましょう。
ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

ケースA:断捨離で大量の洋服を出品する

「長年溜め込んだ洋服や子供のおもちゃ、合計100点以上をメルカリで一気に売った。売上は10万円になった。」

→ 判定:セーフ(原則不要)

数が多いので心配になるかもしれませんが、「もともと自分で使うために持っていたもの」を売る行為は、規模が大きくても不用品処分です。利益が出たとしても、それは「買った時より高く売れた」という偶然の結果に過ぎず、商売目的とはみなされにくいでしょう。

ケースB:リサイクルショップで買ったものをネットで売る

「近所のリサイクルショップで500円で売られていた限定フィギュアを見つけた。ヤフオクなら3,000円で売れそうなので、購入して出品した。」

→ 判定:アウト(許可が必要)

これは完全に「転売ビジネス」です。「売るために買った」という時点で、それは商売の仕入れになります。たった1回であっても、最初から転売目的で購入(仕入れ)をしているため、古物商許可が必要になる可能性が極めて高い行為です。

ケース C:未開封の新品を転売する

「家電量販店のセールで新品のゲーム機を購入し、未開封のままネットで定価以上で売った。」

→ 判定:注意が必要(古物営業法の「新品」の定義)

ここが多くの人が勘違いしやすいポイントです。「新品なら古物じゃないから許可はいらないでしょ?」と思われがちですが、古物営業法には独特のルールがあります。

「一度消費者の手に渡ったものは、たとえ未開封でも『古物』とみなす」

つまり、あなたがお店で買った時点で、その商品は法律上「古物」になります。それを転売目的で購入し、継続的に販売すれば、古物商許可が必要になります。(※メーカーや卸問屋から直接仕入れる完全な新品販売ビジネスであれば、古物商許可は不要です)

4. 「少しだけならバレない」という危険な誤解

「自分は月に数万円のお小遣い稼ぎ程度だから、警察もいちいち見ていないだろう」
そう軽く考えている方がいらっしゃったら、プロとして警鐘を鳴らさなければなりません。

現在は、警察もサイバーパトロールを強化していますし、メルカリやヤフオクなどのプラットフォーム側も、不正な転売行為には目を光らせています。

もし無許可営業(古物営業法違反)として摘発された場合、そのペナルティは非常に重いものです。
「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」に加え、その後5年間は古物商許可を取得することができなくなります。

たかだか数万円の利益のために、前科がつくリスクを背負うのは、あまりにも割に合いません。

5. 「転売」と「コレクションの整理」のグレーゾーン

行政書士として相談を受ける中で、判断に迷う「グレーゾーン」についても触れておきましょう。

例えば、「趣味で集めていたスニーカー、履かずに保管していたが、プレミアがついたので売る」という場合。
これは「コレクションの整理(不用品処分)」と主張できます。

しかし、これがあまりにも頻繁で、かつ「発売日に行列に並んで同じモデルを複数購入し、すぐに売る」という行為を繰り返していたらどうでしょう?
客観的に見れば、それは「趣味」の範囲を超えて「利益目的の転売」と判断されるでしょう。

警察庁もガイドラインを出していますが、結局のところ「客観的に見て、商売としてやっているように見えるか」が判断の分かれ目になります。

  • 同じ商品を複数出品している
  • タグ付きの未使用品ばかり出品している
  • 短期間に大量の取引履歴がある

こういったアカウントは、外から見れば「業者」に見えます。ご自身が「いや、これは趣味だ」と思っていても、客観的な事実がビジネスを示していれば、指導の対象になるのです。

6. 副業として本格的にやるなら「許可」は最強の武器になる

ここまで「許可がないと怖い」という話をしてきましたが、視点を変えてみましょう。
もし、あなたが今後、副業として中古品販売を本格的にやっていきたいのであれば、古物商許可は「最強の武器」になります。

許可を取ることには、法的なリスク回避以外にも大きなメリットがあります。 1. 古物市場(古物オークション)に参加できる プロの業者が集まる市場では、リサイクルショップやネットで仕入れるよりも、圧倒的に安く・大量に商品を仕入れることができます。これは許可証を持っている人だけの特権です。 2. お客様からの信頼度が上がる プロフィール欄に「古物商許可番号」を記載することで、購入者に対して「ちゃんとした業者なんだ」という安心感を与えることができます。これは売上アップにも直結します。 3. 堂々とビジネスを拡大できる 「バレたらどうしよう」とビクビクしながら小銭を稼ぐのと、「私は国から認められた事業者です」と胸を張ってビジネスをするのとでは、モチベーションも将来性も段違いです。

7. まとめ:迷ったら専門家に相談を

「不用品処分とビジネスの境界線」、ご理解いただけましたでしょうか?

基本的には、

  • 「自分で使うために買ったもの」を売るなら許可は不要。
  • 「売って利益を得るために買ったもの」を売るなら許可が必要。

この原則を忘れないでください。

しかし、個別のケースでは判断が難しいことも多々あります。
「自分の場合はどうなんだろう?」
「これから副業を始めたいけど、手続きが難しそう」
「書類作成をする時間がない」

そのように迷われたときは、ぜひ私たち行政書士にご相談ください。
インターネット上の情報は古かったり間違っていたりすることもありますが、専門家であれば、あなたの状況に合わせた正確なアドバイスが可能です。

副業は、正しく行えば人生を豊かにする素晴らしい手段です。
法律というルールをしっかり守って、安心・安全なビジネスをスタートさせましょう。

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※本記事の内容は、執筆時点の法令・情報に基づき一般的な解説を提供するものであり、特定の事案についての助言・判断を目的としたものではありません。実際の手続きや対応方法は、状況・地域・関係機関・契約内容等によって大きく異なります。そのため、本記事のみを根拠として判断・行動されることはお控えいただき、個別の事情に応じた専門家への相談をおすすめいたします。本記事の内容に基づき生じたトラブル・損害等について、当事務所は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

📝 古物商許可チェッククイズ 📝

なぜ中古品の売買に警察の「許可」が必要なのでしょうか?古物営業法の最大の目的はどれ?

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