2026年 7th page

自分の車を友人が運転して事故!助手席の持ち主は被害者請求できるのか?

1. はじめに:運転交代で起きた事故の複雑な状況 長距離のドライブや旅行中、「少し疲れたから、運転を代わってくれないか」と友人に車のハンドルを任せることは、日常的によくある光景です。しかし、万が一その運転中に交通事故が起きてしまった場合、事態は非常に複雑になります。 【よくある状況】 車の持ち主(あなた)は助手席に乗っている 運転しているのは、運転を代わってもらった友人 単独事故、あるいは相手のいる事故が発生し、助手席の持ち主(あなた)がケガをしてしまった このような状況で、持ち主である自分がケガをしてしまったら、自分の車にかけられている「自賠責保険」に……

相続・遺言 2026年6月9日

「うちは普通の家族だから大丈夫」が一番危険?一般家庭で起きた相続争いの事例

1. はじめに:「普通の家族」に潜む相続争いのリスク 行政書士として日々ご相談をお受けしていると、「うちは普通の家族で、莫大な財産があるわけでもないから、相続で揉めることはないですよ」とおっしゃる方に多く出会います。しかし、実際のデータや実務の現場を見てみると、遺産分割を巡るトラブル(家庭裁判所に持ち込まれる調停事件)の多くは、遺産総額が5,000万円以下のごく一般的なご家庭で起きています。 「財産が多いから揉める」のではなく、「分けにくい財産があるから揉める」。これが相続の実態です。今回は、ごく一般のご家族が泥沼の相続争いに発展してしまった事例をご紹介し、なぜ争いが起きてしまうの……

農地法関係 2026年6月7日

農地転用の許可はなぜ厳しい?農業委員会の審査基準と本当の役割

ご自身の所有する畑に家を建てたい、あるいは農地を駐車場や資材置き場として活用したいと考えたとき、必ず行わなければならないのが「農地転用(のうちてんよう)」の手続きです。そして、この申請の第一窓口となるのが、各市町村に設置されている「農業委員会」です。 私たち行政書士がお客様から農地転用のご相談をお受けする際、 「自分の土地なのに、なぜ自由に使うことができないのか?」 「なぜ審査に何ヶ月もかかり、あんなにも多くの書類を求められるのか?」 という疑問の声をよく耳にします。 今回は、日頃から農地転用手続きをサポートしている行政書士の目線から、「なぜ農地転用の許可は厳……

離婚協議書 2026年6月5日

離婚協議書に「清算条項」を入れ忘れた!後から財産分与を請求できる?

離婚後しばらく経ってから、 「そういえば財産分与の話を十分にしていなかった」 「離婚協議書を見返したら清算条項が入っていない」 と気付くことがあります。 インターネット上では、「清算条項がなければ後から請求できる」「清算条項があれば一切請求できない」といった説明を見かけることがありますが、実際はそこまで単純ではありません。 今回は、離婚協議書に清算条項を入れ忘れた場合に後から財産分与を請求できるのか、その際の注意点について行政書士の立場から分かりやすく解説します。 1. 清算条項とは何のためにあるのか まず、「清算条項」とは何かを確認してお……

相続・遺言 2026年6月3日

5/27 法務セミナーを開催(奈良県立図書情報館)

先月の5/27に奈良県立図書情報館で公益社団法人成年後見サポートセンター主催で法務セミナーを開催しました。 私は、セミナー講師として登壇させていただきました。 テーマは「相続手続きで理解すべき期限の話」です。ご家族がお亡くなりになられてから、①死亡届の提出②相続放棄の判断③準確定申告④相続税の申告⑤遺留分の請求⑥相続登記 と、実施すべき期限のある事柄について、じっくりと説明させていただきました。 約1時間半のセミナーでしたが、始終熱心に聞いていただき、その後多くのご質問をいただきました。セミナーの後は、そのまま無料相談会を実施しました。 ご参加いただいた皆様ありがとうございました。……

相続・遺言 2026年6月3日

【相続対策】孫を養子にするメリット・デメリットと遺言書の重要性

日々の業務のなかで、「可愛い孫に直接財産を残したい」「相続対策として孫を養子にすることを検討している」といったご相談を受けることがあります。 確かにお孫さんを養子に迎えることは、相続において大きな変化をもたらします。しかし、メリットがある一方で、法律や税務上のルールを正しく理解しておかないと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。 今回は、行政書士の視点から、孫を養子にした場合の相続の仕組みと、後々のトラブルを防ぐための「遺言書の重要性」について分かりやすく解説いたします。 1. 孫を養子にするメリット「基礎控除額の拡大」 相続税には「ここまでの財産なら税金はかかりませ……

相続・遺言 2026年5月31日

生前贈与と相続の違いとは?メリットと注意点を徹底比較

はじめに:財産を譲る2つの選択肢「生前贈与」と「相続」 大切な家族に財産を引き継ぐ方法を考えたとき、多くの方が思い浮かべるのが「相続」と「生前贈与」です。「どちらを選んでも同じではないか」と思われるかもしれませんが、この2つは法律上の性質や手続き、そして発生するメリット・注意点が大きく異なります。 将来の財産トラブルを防ぎ、ご自身の想いを確実に形にするためには、それぞれの違いを正しく理解しておくことが不可欠です。今回は、生前贈与と相続の違いを比較し、分かりやすく解説します。 1. 根本的な違い:「契約」である生前贈与と、「承継」である相続 まずは、法律上の最も根本的な違……

相続・遺言 2026年5月27日

相続放棄しても「管理責任」は残る?空き家放置リスクと相続土地国庫帰属法

1. はじめに:相続放棄で「実家の空き家」から完全に解放されるのか? こんにちは。日々の業務のなかで、相続や土地に関するご相談を多く受ける行政書士です。 「実家が空き家になっているが、住む予定もないし売れる見込みもない。相続放棄をすれば、すべて手放せるから安心ですよね?」 私たちのもとには、このようなご質問がよく寄せられます。確かに、家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、初めから相続人ではなかったことになり、不動産のようなプラスの財産も、借金のようなマイナスの財産も一切引き継ぐことはありません。 しかし、「相続放棄さえすれば、空き家の管理から完全に解放される」と思い込む……

過失10割や自損事故は注意!自賠責の被害者請求が認定されないケースを解説

はじめに:自賠責保険が「支払対象外」になるケースとは? 交通事故の被害に遭われた方にとって、自賠責保険に対する「被害者請求」は、適正な賠償を受けるための重要な手段です。自賠責保険は被害者救済を目的とした制度であるため、被害者側に過失があっても減額されにくいという特徴を持っています。 しかし、どのような事故でも無条件で支払いが行われるわけではありません。法律(自動車損害賠償保障法)のルール上、客観的に認定されず「支払対象外(無責)」となってしまうケースが存在します。 本記事では、行政書士の視点から、過失割合が10対0の事故など、自賠責保険の被害者請求が認定されない具体的な事例に……

相続・遺言 2026年5月21日

遺産分割協議で全員集合は、不要!『持ち回り』と『証明書方式』の違いと正しい選び方

相続が発生し、いざ遺産分割協議を行おうとしたとき、「相続人が全国に散らばっていて、一つの場所に集まるのが難しい」というご相談をよくお受けします。仕事やご家庭の事情、あるいはご高齢で長距離の移動が難しいなど、ご親族全員がスケジュールを合わせて一堂に会するのは、想像以上にハードルが高いものです。「全員で集まらないと、相続手続きはできないのだろうか?」とご不安に思われるかもしれませんが、ご安心ください。結論から申し上げますと、遺産分割協議のために相続人全員が必ずしも一か所に集合する必要はありません。本日は、行政書士としての実務的な視点から、離れて暮らす相続人間で遺産分割協議をまとめる2つの具体的な方……