【行政書士が解説】離婚公正証書の内容とは?記載される主な条項をわかりやすく紹介

はじめに

離婚をする際、「離婚公正証書を作った方がよい」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際には「何を記載するのか」「どのような内容で構成されているのか」まではよく分からないという方も少なくありません。

離婚公正証書は、ご夫婦で合意した内容を公証人が公文書として作成するものです。将来のトラブルを防ぐためにも、どのような条項が記載されるのかを理解したうえで作成することが大切です。
今回は、行政書士の立場から、離婚公正証書に一般的に盛り込まれる主な条項について、できるだけ分かりやすくご紹介します。

離婚公正証書とは?

離婚公正証書とは、夫婦が離婚に関して合意した内容を、公証人が公正証書として作成した文書です。
公証人は、当事者双方の意思を確認し、法律上適切な形で文書を作成します。

離婚届を提出するだけでは、養育費や財産分与などの取り決めが口約束になってしまいがちです。一方、公正証書を作成しておけば、合意内容が明確になり、後日の「言った・言わない」という争いを防ぐことにつながります。

1. 離婚の成立に関する条項

公正証書の最初に記載されることが多いのが、夫婦が協議離婚することを確認する条項です。一般的には以下のような事項が記載されます。

  • 当事者双方が離婚すること
  • 離婚届を提出すること

なお、離婚公正証書は離婚そのものを成立させるものではなく、あくまで離婚に伴う合意内容を証明する文書です。離婚を成立させるためには、市区町村へ離婚届を提出する必要があります。

2. 子どもに関する条項(親権・養育費・面会交流)

未成年の子どもがいる場合には、非常に重要な条項になります。

親権・養育費について

一般的には次のような事項が定められます。

  • 親権者
  • 養育費の金額
  • 支払開始日
  • 支払期間(終期):「20歳に達する月まで」「大学卒業まで」など
  • 支払方法:「毎月○日に指定口座へ振り込む」など

養育費については、いつまで、どのように支払うかを明確に記載することで、後日の誤解を防ぎやすくなります。

面会交流について

子どもと離れて暮らす親との交流についても、公正証書で取り決めることがあります。例えば、「月に何回会うか」「学校行事への参加」「長期休暇中の面会」「面会日時の決定方法」などです。

もっとも、子どもの成長や生活環境は変化するため、実際には「子どもの福祉を最優先に、当事者が協議して決定する」といった柔軟な内容を盛り込むことも多くあります。

3. お金や財産に関する条項(財産分与・慰謝料・年金分割)

離婚に伴う財産やお金に関する関係についても記載されます。代表的なものは次のとおりです。

  • 財産分与
    夫婦共有財産をどのように分けるかを定めます。現金だけでなく、不動産や自動車、保険の解約返戻金などについて取り決める場合もあります。
  • 慰謝料
    慰謝料を支払う場合には、金額、支払期限、支払方法などを具体的に定めます。
  • 年金分割
    年金分割について合意内容を記載することがあります。ただし、実際に年金分割を完了させるためには、公正証書等を持参して年金事務所で所定の手続きを行う必要があります。

4. トラブルを防ぐ「清算条項」と「強制執行認諾条項」

公正証書の実効性を高め、将来の不安をなくすために以下の条項が設けられます。

清算条項

離婚公正証書の最後に設けられることが多いのが「清算条項」です。これは、「この公正証書に記載されていること以外には、お互いに金銭等の請求をしない(債権債務が存在しないことを確認する)」という条項です。
これを盛り込むことで、離婚後になってから「やっぱりあの費用も払ってほしい」といった予期せぬ追加請求などのトラブルを防ぐことができます。

強制執行認諾条項

養育費や慰謝料など金銭の支払いについては、「強制執行認諾条項」が設けられることが一般的です。これは、支払義務者が約束どおり支払わない場合に、裁判を起こすことなく、すぐに相手の給与や預貯金などを差し押さえる強制執行の手続きを進められるようにするための強力な条項です。
※親権や面会交流など、金銭以外の合意事項については、この条項の対象にはなりません。

まとめ

離婚公正証書には、単に「離婚する」という内容だけではなく、以下のような将来の生活に関わる重要な取り決めが記載されます。

  • 離婚の合意
  • 親権・養育費・面会交流
  • 財産分与・慰謝料・年金分割
  • 清算条項
  • 金銭支払に関する強制執行認諾条項

どの条項をどのように盛り込むべきかは、ご夫婦の事情によって異なります。十分に話し合い、内容を明確にしたうえで公正証書を作成することが、将来の紛争防止につながります。

行政書士は、当事者間で合意した内容を法的に整理し、公証人との打ち合わせに必要な原案作成などをお手伝いできます。
離婚公正証書の作成をご検討中の方は、ご自身の権利を守り、将来の不安をなくすためにも、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

※本記事の内容は、執筆時点の法令・情報に基づき一般的な解説を提供するものであり、特定の事案についての助言・判断を目的としたものではありません。実際の手続きや対応方法は、状況・地域・関係機関・契約内容等によって大きく異なります。そのため、本記事のみを根拠として判断・行動されることはお控えいただき、個別の事情に応じた専門家への相談をおすすめいたします。本記事の内容に基づき生じたトラブル・損害等について、当事務所は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

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離婚公正証書は、将来の生活を守りトラブルを防ぐための大切なお守りになります。何を取り決めるべきか迷われた際は、ご自身の権利を守るためにも行政書士へお気軽にご相談ください。

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