相続・遺言 4th page

相続・遺言 2026年6月9日

「うちは普通の家族だから大丈夫」が一番危険?一般家庭で起きた相続争いの事例

1. はじめに:「普通の家族」に潜む相続争いのリスク 行政書士として日々ご相談をお受けしていると、「うちは普通の家族で、莫大な財産があるわけでもないから、相続で揉めることはないですよ」とおっしゃる方に多く出会います。しかし、実際のデータや実務の現場を見てみると、遺産分割を巡るトラブル(家庭裁判所に持ち込まれる調停事件)の多くは、遺産総額が5,000万円以下のごく一般的なご家庭で起きています。 「財産が多いから揉める」のではなく、「分けにくい財産があるから揉める」。これが相続の実態です。今回は、ごく一般のご家族が泥沼の相続争いに発展してしまった事例をご紹介し、なぜ争いが起きてしまうの……

相続・遺言 2026年6月3日

5/27 法務セミナーを開催(奈良県立図書情報館)

先月の5/27に奈良県立図書情報館で公益社団法人成年後見サポートセンター主催で法務セミナーを開催しました。 私は、セミナー講師として登壇させていただきました。 テーマは「相続手続きで理解すべき期限の話」です。ご家族がお亡くなりになられてから、①死亡届の提出②相続放棄の判断③準確定申告④相続税の申告⑤遺留分の請求⑥相続登記 と、実施すべき期限のある事柄について、じっくりと説明させていただきました。 約1時間半のセミナーでしたが、始終熱心に聞いていただき、その後多くのご質問をいただきました。セミナーの後は、そのまま無料相談会を実施しました。 ご参加いただいた皆様ありがとうございました。……

相続・遺言 2026年6月3日

【相続対策】孫を養子にするメリット・デメリットと遺言書の重要性

日々の業務のなかで、「可愛い孫に直接財産を残したい」「相続対策として孫を養子にすることを検討している」といったご相談を受けることがあります。 確かにお孫さんを養子に迎えることは、相続において大きな変化をもたらします。しかし、メリットがある一方で、法律や税務上のルールを正しく理解しておかないと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。 今回は、行政書士の視点から、孫を養子にした場合の相続の仕組みと、後々のトラブルを防ぐための「遺言書の重要性」について分かりやすく解説いたします。 1. 孫を養子にするメリット「基礎控除額の拡大」 相続税には「ここまでの財産なら税金はかかりませ……

相続・遺言 2026年5月31日

生前贈与と相続の違いとは?メリットと注意点を徹底比較

はじめに:財産を譲る2つの選択肢「生前贈与」と「相続」 大切な家族に財産を引き継ぐ方法を考えたとき、多くの方が思い浮かべるのが「相続」と「生前贈与」です。「どちらを選んでも同じではないか」と思われるかもしれませんが、この2つは法律上の性質や手続き、そして発生するメリット・注意点が大きく異なります。 将来の財産トラブルを防ぎ、ご自身の想いを確実に形にするためには、それぞれの違いを正しく理解しておくことが不可欠です。今回は、生前贈与と相続の違いを比較し、分かりやすく解説します。 1. 根本的な違い:「契約」である生前贈与と、「承継」である相続 まずは、法律上の最も根本的な違……

相続・遺言 2026年5月27日

相続放棄しても「管理責任」は残る?空き家放置リスクと相続土地国庫帰属法

1. はじめに:相続放棄で「実家の空き家」から完全に解放されるのか? こんにちは。日々の業務のなかで、相続や土地に関するご相談を多く受ける行政書士です。 「実家が空き家になっているが、住む予定もないし売れる見込みもない。相続放棄をすれば、すべて手放せるから安心ですよね?」 私たちのもとには、このようなご質問がよく寄せられます。確かに、家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、初めから相続人ではなかったことになり、不動産のようなプラスの財産も、借金のようなマイナスの財産も一切引き継ぐことはありません。 しかし、「相続放棄さえすれば、空き家の管理から完全に解放される」と思い込む……

相続・遺言 2026年5月21日

遺産分割協議で全員集合は、不要!『持ち回り』と『証明書方式』の違いと正しい選び方

相続が発生し、いざ遺産分割協議を行おうとしたとき、「相続人が全国に散らばっていて、一つの場所に集まるのが難しい」というご相談をよくお受けします。仕事やご家庭の事情、あるいはご高齢で長距離の移動が難しいなど、ご親族全員がスケジュールを合わせて一堂に会するのは、想像以上にハードルが高いものです。「全員で集まらないと、相続手続きはできないのだろうか?」とご不安に思われるかもしれませんが、ご安心ください。結論から申し上げますと、遺産分割協議のために相続人全員が必ずしも一か所に集合する必要はありません。本日は、行政書士としての実務的な視点から、離れて暮らす相続人間で遺産分割協議をまとめる2つの具体的な方……

相続・遺言 2026年5月19日

【相続人向け】親の不動産がわからない!「所有不動産記録証明制度」を使った調べ方を解説

皆さま、こんにちは。相続手続きや遺言作成をサポートしている行政書士です。 「亡くなった父が、どこかに山林を持っていると言っていたけれど、場所がわからない」「昔住んでいた地域の土地をそのままにしているはずだが、詳しい住所が不明」……。こうしたご相談は、相続業務の中で非常に多く寄せられます。 これまでは、全国に散らばった不動産を特定するのは至難の業でした。しかし、令和8年(2026年)2月2日からスタートした「所有不動産記録証明制度」により、その状況は一変しました。今回は、相続人の皆さまが知っておくべき、この新制度の活用法について解説します。 1. そもそも「所有不動産記録証明制……

相続・遺言 2026年5月13日

親の借金も調べるべき?相続発生時の財産調査(プラス・マイナス)完全マニュアル

身内の方がお亡くなりになり、悲しみの中で進めなければならないのが「相続」の手続きです。いざ手続きを始めようとした際、多くの方が直面するのが「亡くなった方の財産がどこにどれだけあるのか分からない」という問題です。 特に「親に借金があったかもしれない」という不安がある場合、調査は一刻を争います。なぜなら、マイナスの財産が多い場合に検討する「相続放棄」には、3ヶ月という短い期限があるからです。 今回は、行政書士としての経験から、財産調査の手順を「完全マニュアル」としてまとめました。 1. なぜ「プラス」だけでなく「マイナス」の調査が不可欠なのか 相続というと、預貯金や不動産と……

相続・遺言 2026年5月11日

相続税対策の基本!配偶者の税額軽減(配偶者控除)と小規模宅地等の特例とは

相続が発生した際、「相続税が高額になり、今の家に住み続けられなくなるのでは」という不安の声を多く耳にします。しかし、日本の税制には残されたご家族の生活と居住を守るための強力な特例が用意されています。代表的なものが「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」と「小規模宅地等の特例」です。本記事では、相続手続きのサポートを日々行っている行政書士の視点から、これらの制度の基本と、特例を活用するための重要なポイントを分かりやすく解説します。 1. 配偶者の税額軽減(配偶者控除)の概要 「配偶者の税額軽減」は、長年連れ添い財産形成に貢献してきた配偶者の老後の生活を保障するための制度です。配偶者が相続し……

相続・遺言 2026年5月8日

口座凍結で困った時の解決策。相続人の単独手続きで預金を引き出す「仮払い制度」

「親が亡くなってすぐに、銀行口座が使えなくなった」相続が発生した直後、多くの方が直面するのがこの「銀行口座の凍結」です。お葬式の費用や病院の支払いなど、急ぎでお金が必要な場面は多いものですが、これまでは「遺産分割協議が終わるまで、1円も下ろせない」のが業界の常識でした。 しかし、2019年の法改正により、相続人が単独で一定額の預金を引き出せる「仮払い制度」がスタートしました。今回は、一介の行政書士の目線から、この制度の仕組みと、知っておかないと怖い注意点を分かりやすく解説します。 1. なぜ家族が亡くなると銀行口座は「凍結」されるのか 身内の方が亡くなられたことを金融機関が知……