相続・遺言 2nd page

相続・遺言 2026年9月3日

【国庫帰属のリアル】「いらない土地を国が引き取る制度」の厳しい審査基準と、申請前に知っておくべき2つのおカネ

「相続した土地を使う予定がない」「遠方にある土地なので、管理するのが難しい」「売ろうとしても買ってくれる人が見つからない」相続をきっかけに、このような相談を受けることが増えています。 こうした場合の選択肢の一つとして、令和5年4月27日から始まったのが「相続土地国庫帰属制度」です。この制度を簡単に説明すると、相続や遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たし、法務大臣の承認を受けた場合に、その土地を国庫に帰属させることができる制度です。 ただし、「いらない土地なら、国が無料で引き取ってくれる」という都合の良い制度ではありません。土地の状態についての厳しい審査があり、さらに申……

相続・遺言 2026年8月31日

「遺産分割は落ち着いてから」が命取りに?新しく始まった「10年の期間制限」と放置するリスクを行政書士が解説

1.「遺産分割は、落ち着いてから」で本当に大丈夫? 家族が亡くなった直後は、葬儀や各種手続きなどで忙しく、「遺産の話は、少し落ち着いてからにしよう」と考えることがあります。 もちろん、家族を亡くした直後に、すぐ遺産分割の話を進めることが難しい場合もあります。しかし、遺産分割を何年もそのままにしておくことには注意が必要です。 令和5年4月1日から、遺産分割について新しいルールが始まりました。ポイントは、相続開始から10年を経過すると、原則として「具体的相続分(生前贈与や介護の貢献度など)」を考慮した遺産分割ができなくなるということです。 「10年経ったら相続できなくなる」……

相続・遺言 2026年8月29日

【2024年義務化】相続登記はいつまで?3年の期限と10万円以下の過料への対処法を行政書士が解説

1.相続登記は「いつかやればいい」ではなくなりました 「親が亡くなったけれど、実家には誰も住んでいないから、そのままにしている」相続のご相談をお受けしていると、このようなケースは決して珍しくありません。 以前は、相続した不動産の名義変更をいつまでにしなければならないという法律上の義務はありませんでした。しかし、令和6年(2024年)4月1日から制度が大きく変わりました。相続や遺贈によって不動産を取得した相続人は、原則として、その不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化されました。 さらに、正当な理由がないのに申請義務を怠った場合には、1……

相続・遺言 2026年8月27日

相続人の調査方法とは?戸籍から相続人を探す手順を行政書士が解説

1.「家族は分かっているから大丈夫」とは限らない理由 ご家族が亡くなり、いざ相続手続きを始めるとき、「相続人は妻と子どもたちだけだから、全員分かっています」とおっしゃる方は少なくありません。 たしかに、現在一緒に暮らしている家族だけを考えれば、相続人が誰なのかは簡単に分かるように思えます。しかし、不動産の名義変更や銀行口座の解約などの相続手続きでは、単に家族関係を知っているだけでは足りません。 遺産分割協議を行う場合には、「客観的に見て法律上の相続人が誰なのか」を第三者に対して証明し、その全員を明らかにする必要があります。そのために重要になるのが、亡くなった方(被相続人)の「……

相続・遺言 2026年8月25日

相続財産がわからないときはどうする?プラス・マイナスの財産を探す手がかり

はじめに|相続財産は「財産一覧」が残っているとは限りません ご家族が亡くなり、相続手続きを始めることになったとき、「父の財産はどれくらいあったのだろう」と困ることがあります。預金通帳が何冊か見つかれば分かりやすいのですが、実際には、すべての財産が一か所に整理されているとは限りません。 銀行口座、保険、不動産、株式などのプラスの財産だけでなく、住宅ローンや借入金、未払い金などのマイナスの財産が存在することもあります。そこで重要になるのが、亡くなった方が残した「生活の痕跡」です。 今回は、具体的な財産調査の方法というよりも、相続財産を見つけるために、まず何を手がかりにすればよいの……

相続・遺言 2026年8月19日

配偶者が突然亡くなったら?まず何をすればいい?残された家族が確認したい手続きの順番を行政書士が解説

配偶者が突然亡くなると、悲しみの中で葬儀や役所の手続き、年金、銀行、相続など、さまざまなことに対応しなければなりません。 「何から手を付ければいいのか分からない」というのは、決して珍しいことではありません。 相続のご相談を受けている行政書士としても、亡くなった直後は、すぐに遺産分けを急ぐよりも、まず「当面の生活を維持するため」の手続きから順番に進めることが大切だと感じます。 今回は、配偶者が突然亡くなった直後から、その後の相続手続きまでをどのような順番で考えればよいのかを行政書士の視点で分かりやすく整理します。 1.まずは死亡届など、亡くなった直後の手続きを行う ……

相続・遺言 2026年8月7日

【行政書士が解説】デジタル遺言とは?新しい遺言制度の概要と今後の注意点

1. はじめに:デジタル遺言への関心の高まり 近年、行政手続や契約手続のデジタル化が進み、私たちの生活にも大きな変化が生まれています。その流れの中で、「遺言もスマートフォンやパソコンで作成できるようになるのではないか」という話題を耳にした方もいるのではないでしょうか。 実際に、国ではデジタル技術を活用した新しい遺言制度の導入に向けて検討が進められています。 今回は行政書士の立場から、「デジタル遺言」とは何か、現在の制度ではどこまでデジタル活用が認められているのか、そして今後どのような方向へ進んでいくのかを、現時点で確かな情報に基づいて解説します。 2. 現在の日本で「デ……

相続・遺言 2026年8月1日

【行政書士が解説】成年後見制度はどう変わる?令和8年改正のポイントをわかりやすく解説

はじめに 成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などによって判断能力が十分ではない方を支援し、財産や生活を守るための大切な制度です。超高齢社会の日本において極めて重要な制度ですが、「一度利用すると原則として亡くなるまで続く(終身制)」「必要以上に利用が長期間になり、費用負担が重い」といった課題も指摘されてきました。 こうした状況を踏まえ、令和8年(2026年)6月、「民法等の一部を改正する法律」が成立・公布され、成年後見制度の大幅な見直しが行われました。今回は、この改正の概要と、これからの制度選びのポイントについて、行政書士の視点からできるだけわかりやすく解説します。 1……

相続・遺言 2026年7月24日

相続したくないときの「相続分の譲渡」とは?相続放棄との違いを解説

相続が始まったとき、「自分は遺産を受け取らなくてもいい」「兄弟の一人にすべて相続してもらいたい」と考える方は少なくありません。 このような場合、「相続放棄をすればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、「相続放棄」と「相続分の譲渡」は、法律上まったく異なる手続きです。 相続放棄: 亡くなった方の財産も借金も、一切を引き継がないための「家庭裁判所」での手続き。 相続分の譲渡: 自分が持つ「相続する権利(割合)」を、他の相続人などに譲る手続き。 「相続したくない」という同じ出発点であっても、どちらを選ぶべきかはご家庭の事情によって変わります。今回は、相続分の譲渡とは何……

相続・遺言 2026年7月21日

【行政書士が解説】生命保険契約照会制度とは?亡くなった家族の保険を調べる方法

はじめに 相続手続きを進めていると、「親が生命保険に入っていたはずだけれど、どこの保険会社か分からない」「保険証券が見当たらない」というご相談をよくお受けします。 生命保険は、契約書や保険証券が見つからなければ請求できないと思われがちですが、現在では「生命保険契約照会制度」という便利な仕組みを利用することができます。 この制度を利用すれば、一定の条件のもとで、生命保険会社に契約の有無を一括で確認することが可能です。今回は、この制度の概要や手続きの流れ、そして利用時の注意点について、行政書士の立場からわかりやすく解説します。 1. 生命保険契約照会制度とは 生命保険……