相続・遺言 8th page

相続・遺言 2026年1月13日

【妻の介護と財産の行方】「妻の次は長男の嫁に」を叶えるのは負担付遺言か、家族信託か?

行政書士として相続のご相談を受けていると、法律の条文だけでは割り切れない、家族への深い愛情や葛藤に触れる機会が多くあります。 最近特に増えているのが、このような切実なご相談です。 「自分(夫)が亡くなった後、妻には苦労をかけたくない。全財産を妻に渡したい。しかし、妻の介護を献身的にしてくれているのは、同居している長男のお嫁さんだ。だから、妻が亡くなった後の残りの財産は、妻の親族ではなく、長男のお嫁さんに譲りたい。」 非常に温かい、家族思いのご希望です。しかし、これを実現しようとすると、法律の世界には「遺言の限界」という大きな壁が立ちはだかります。 通常、長男のお嫁さんは……

相続・遺言 2026年1月10日

【遺言と贈与】「渡したい」気持ちは同じでも…行政書士が教える、あなたに合うのはどっち?

こんにちは。行政書士の山田です。日々、多くのご相談者様と向き合っていると、法律の知識以前に「家族を想う気持ち」の深さにハッとさせられる瞬間があります。 その中でも特によくあるのが、「財産を渡すタイミング」についてのお悩みです。「長男に家を継がせたい」「お世話になった姪にお金を残したい」。その温かい気持ちを実現するための手段として、法律には大きく分けて「遺言」と「生前贈与」という二つの道が用意されています。 教科書的に言えば「死亡時に効力が発生するか、生前に発生するか」の違いですが、実務の現場にいる私から見ると、この二つは「安心のカタチ」が全く異なります。 今日は、法律論だけで……

相続・遺言 2025年12月31日

再婚家庭(ステップファミリー)の相続対策:連れ子に財産を残すには? 

こんにちは、行政書士の山田です。 本日のテーマは、近年増えている「ステップファミリー(再婚家庭)」の相続についてです。「再婚して、新しいパートナーの連れ子と一緒に暮らしている。実の子のように可愛いけれど、法律上の親子ではない。私が死んだら、この子はどうなるんだろう?」 そんな不安を抱えている方が、実はとても多いのです。今日は、専門家として、そして一人の生活者の視点から、再婚家庭における「財産の残し方」について、少し踏み込んでお話ししたいと思います。 あなたとあなたの大切な家族を守るために、ぜひ最後までお付き合いください。 【本記事の内容】 衝撃の事実:「一緒に暮……

相続・遺言 2025年12月24日

相続手続き期限カレンダー|3ヶ月・4ヶ月・10ヶ月の「壁」を乗り越えるために

大切なご家族を亡くされたとき、深い悲しみの中にいながらも、現実は待ってくれません。通夜や葬儀、初七日……。慌ただしい日々が過ぎ去り、少し落ち着いたかなと思った頃に、ふと不安になるのが「相続手続き」のことではないでしょうか。 「役所への届け出はいつまで?」「税金がかかるとしたら、期限はあるの?」「実家の名義変更は急ぐべき?」 行政書士として日々ご相談を受けていると、こうした「期限」に関する不安を抱えている方が非常に多いと感じます。実は、相続手続きには法律で厳格に決められた「絶対に守らなければならない期限」がいくつか存在します。これを私はよく「相続の壁」と呼んでいます。 この「壁……

相続・遺言 2025年12月22日

付言事項(ふげんじこう)の魔力:法的な効力はないが、家族の争いを止める「最後の手紙」

行政書士として遺言書の作成支援に携わっていると、法律がいかに「冷徹」であるかを感じることがあります。もちろん、法律は公平性を保つために必要なルールです。しかし、人の感情というのは、法律の条文通りに割り切れるものではありません。 特に「相続」の場面では、少しの感情のすれ違いが、修復不可能な亀裂を生んでしまうことがあります。「なぜ兄さんばかり多くもらうんだ」「私は介護までしたのに、これだけなの?」 こうしたトラブルを未然に防ぐために、遺言書には**「付言事項(ふげんじこう)」**という項目があることをご存じでしょうか。 これは、法的な効力(強制力)は一切ありません。しかし私は、行……

相続・遺言 2025年12月20日

私があえて、費用のかかる『公正証書遺言』を強くおすすめする理由

行政書士として日々の業務にあたっていると、さまざまな「家族の風景」に出会います。円満に財産を引き継ぎ、笑顔で新たな生活をスタートさせるご家族。一方で、たった一つのボタンの掛け違いから、長年の兄弟仲に修復不可能な亀裂が入ってしまうご家族。 その運命の分かれ道にあるのは、往々にして「遺言書があったか、なかったか」、そして「その遺言書が”使えるもの”だったか」という一点に尽きます。 今日は、一介の行政書士としての現場の肌感覚から、あえて本音をお話ししたいと思います。遺言書にはいくつか種類がありますが、私は相談に来られたお客様には、ほぼ例外なく「公正証書遺言(こうせ……

相続・遺言 2025年12月11日

「残されたペットの面倒をみてほしい」は負託付遺言で実現するの?

はじめに 「自分に万一のことがあったあと、この子はどうなるのだろう」 犬や猫など、ペットと暮らしている方から、こうした不安の声を聞くことは少なくありません。家族同然に過ごしてきた存在だからこそ、最後まで責任をもって守りたい。中高年を過ぎ、将来のことを現実的に考え始めた方ほど、強く感じる悩みではないでしょうか。 ただ、ペットは法律上「物」として扱われ、人のように相続人になることはできません。では、「自分が亡くなったあと、ペットの世話をしてほしい」という希望は、法的に実現できないのでしょうか。 結論から言えば、負託付遺言(ふたくつきいごん)という方法を使えば、一定の範囲で実……

相続・遺言 2025年12月8日

認知症になったら遺言は書けない?「任意後見」とセットで考える老後の備え

「遺言は、認知症になってからでも書けるんでしょ?」 そう思っている方は少なくありません。しかし実務の現場では、認知症が進行してしまうと、遺言書が無効になってしまうリスクが非常に高くなります。 病院のベッドの上で、家族に囲まれながら「今のうちに遺言を書いてほしい」と頼まれても、その時点で本人の判断能力が低下していれば、残念ながら手遅れとなり遺言は成立しません。 つまり遺言は“書きたいと思ったとき”ではなく、“書けるうちに書いておくもの”なのです。 そして近年、遺言とセットで検討されることが増えているのが「任意後見契約」 1. なぜ認知症になると遺言が問題になるのか ……

相続・遺言 2025年12月1日

「自分で書いた遺言書」が無効になる!?自筆証書遺言のよくある5つのミス

年齢を重ねると、誰しも「家族に迷惑をかけたくない」「遺産で揉めてほしくない」という想いが強くなってきます。そんな気持ちから、ご自宅で便箋やノートに遺言書を書き始める方は少なくありません。 しかし、もっとも悲しいのは、せっかく残した遺言が“無効”になってしまうこと。そして現実には、それが驚くほど多いのです。 相続争いは、財産の多い・少ないに関係なく起こります。だからこそ、遺言書を作ろうと思った時には、「無効にならないための知識」が不可欠です。この記事では、自筆証書遺言で特に多い5つのミスを分かりやすく解説します。ご自身やご家族の将来を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。 ……

相続・遺言 2025年11月29日

行政書士、司法書士、税理士、弁護士 相続は誰に相談するのがベストなの?

「相続の相談をしたいけれど、行政書士・弁護士・司法書士・税理士のどこに相談すればいいのか分からない」。そんな声を、日々の相談現場で本当によく耳にします。相続は、一生のうちに何度も経験するものではありません。そのぶん、最初の相談先選びがとても大切です。本記事では、相続でよく登場する士業それぞれの役割を、できるだけ分かりやすく整理しながら、「自分のケースなら誰に相談するのがよいか」をイメージできるように解説していきます。 1. 相続でよく登場する4つの士業を、まずシンプルに分類すると? 相続をサポートする士業といえば、代表的なところで「行政書士・弁護士・司法書士・税理士」が挙げられます……